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kumago

  • Author:kumago
  • 関西在住会社員。読書はもっぱら電車の中。熱中のあまり乗り過ごすこともしばしば。でもそんな小説に出会えたときは最高!
    *各記事のアイコンはAmazonのサイトにリンクしていています。
    Amazonの記事にも作品のあらすじや読んだ方の感想がありますので、ぜひそちらも参考に。
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八日目の蝉 角田光代

2011年春、映画公開予定の原作です。

1985年2月、希和子はある住宅のドアノブに手をかけていた。
その住宅は希和子の不倫相手の自宅であり、不倫相手は妻の運転する車で出勤のために駅に向かったところだった。
希和子は、自宅に残された赤ん坊を一目見て、これを最後に別れる決意だった。
しかし、希和子は衝動的に赤ん坊を連れ出してしまい、そのまま長い逃亡生活が始まる。
友人の家に数日泊まった後、東京から名古屋に逃亡し、指名手配されるほぼ同時期に、世間から隔離された宗教団体に逃げ込む。
希和子は、赤ん坊を薫と名づけそのまま施設の中で3年近く過ごすことになる。自分たちの周りで希和子と薫が真の母子でないと知る人間が希和子以外いないという環境で、当然薫は希和子を母と慕い成長する。
やがて、宗教団体のいざこざから施設に警察が介入することとなり、またも希和子は施設から逃亡する。
希和子が向かった先は、瀬戸内海の島、小豆島であった。
豊かな自然の中、決して裕福とは言えない中、”親子”の愛情や周囲の暖かい大人たち、そして無邪気な子どもたちに囲まれて薫は幸せに暮らす。
しかし、ある時希和子が知らずに写った写真が新聞の賞に入選し、全国に知られることになる。

蝉は7年間地中で生き、成虫して地上に出て7日目で死んでしまう。
それは悲しいことなのだろうか。
他の蝉たちよりも1日長く生きる蝉がいたとしたら、それは悲しいことなのか、あるいは他の蝉たちが見ることが叶わなかった世界を見ることに喜びを見出せるのだろうか。

特異な状況の中で”親子”の愛情とは何か、”親子”とは何かを問いかける作品ではないかと思います。

映画のラストシーンは原作の小説とは違うようですね。
私はこの小説のラストシーンはすごく良かったと思います。

タイトルが、読んでみないとわからないのでなかなか手に取らなかった作品ですが、新聞の書評で絶賛されているのを見てすぐに買って読みました。よい作品だと思います。

恋愛  ★★★★
スリル ★★★★★
感動  ★★★★★
総合  ★★★★★

THEME:本の紹介 | GENRE:小説・文学 |

神様のカルテ 夏川草介

栗原一止(くりはらいちと)は長野県の田舎の総合病院、本庄病院に勤める5年目の内科医。

地域の基幹病院で救急医療も行う本庄病院は、昼夜を問わず老若男女、様々な怪我や病気の患者が訪れ、この病院で亡くなる入院患者もいる。
慢性的な医師不足の中、一止は30時間以上眠らずに治療に当たることもたびたびであった。

一止は新婚1年目で奥さんで写真家のハルとは、御嶽荘というボロボロの木造アパートに住んでいた。アパートといっても元は旅館という建物で、そこには奇妙な隣人たちが住んでおり時間が合えばすぐに宴会が始まるという具合だった。

物語は、病院での同僚医師や看護婦、癌を患い人生の終末を迎えている患者さん、御嶽荘の面々との出来事がユーモアたっぷりに描かれている。

夏目漱石を敬愛し、御嶽荘の燐人に負けず劣らずの奇妙な語り口の一止は、愛にあふれた人物で医師としての能力も素晴らしい。
あるとき、その一止に大学病院から誘いがかかる。
大学病院にいけば、より高度な医療が学べる。しかしその間にもたくさんの患者が本庄病院を訪れる。
日々の仕事の中で一止は行くべきか止まるべきか思い悩む。

この作品はベストセラーのようですね。
あるいは地方の総合救急病院では、この小説に近いことが日常起こっているんだろうと思います。
ひとつのエピソードとして癌により人生の終末を迎えた身寄りのないおばあさんが登場するのですが、そのような患者さんが医者になにを求めているのか、医者がそれにどう応えるのかというところに感動があります。

続編も出ているようですね。読んでみたいと思いました。


恋愛  ★★★★★
スリル ★★
感動  ★★★★★
総合  ★★★★★


THEME:本の紹介 | GENRE:小説・文学 |

錨を上げよ(上)(下) 百田尚樹

久しぶりのブログ更新となりました。
それというのも、年末からずっとこの作品を読んでいたからです。
単行本にして上下1200頁の超大作です。

昭和30年、大阪の下町に生まれた作田又三は祖母と両親、3人の弟という家族の中で、すくすくと悪がきとして育つ。口が悪く腕っ節が強く、曲がったことが嫌いでえこひいきする教師がふんぞり返る学校にもなじめないが、頭が良く社会にうまくなじめないながらも強い芯を持った男として成長する。

中学ではろくに勉強しなかったため、不良の集まる商業高校に進学し、高校でも枠にはまらずに暴れまわる。
しかし遅ればせながらも恋に芽生えると、その後の人生ではずっと純粋に恋をし、まっすぐにぶつかり失恋することを繰り返す。
高校卒業後は、スーパーマーケットに就職するが、ここでもいざこざが絶えず、半年で辞めてしまう。

しかし、その後猛烈に勉強してなんと同志社大学に合格してしまう。
そして大学の枠にも収まらず、大学も途中で飛び出してしまう。

戦後から、大学紛争、バブル経済の入り口まで、昭和という時代を個性的でエネルギッシュな又三が暴れまわります。
人生の判断基準は、道徳とか社会ではなくすべて自分の中にあり、往々にして周囲の人間の理解が得られず何度も何度も大きな失敗を犯すのですが、そのような生き方だからこそ、様々な人とめぐりあいます。

学校、仕事、恋愛など現代人にとって大切なことを、又三の半生を通して考えさせられます。

作者はこのブログでも紹介した「永遠の0」の百田尚樹です。
単行本でかなりの長編ですが、読んで損のない作品だと思います。

恋愛  ★★★★★
スリル ★★★★★
感動  ★★★★★
総合  ★★★★★

THEME:本の紹介 | GENRE:小説・文学 |

草にすわる 白石一文

「草にすわる」「砂の城」の中編2作

「草にすわる」
洪治は30歳。高校時代は陸上の長距離選手として優秀な成績を残していたが、中途で陸上をやめ、その後はマンション販売の大手企業に入社したが、その会社も3年でやめ、現在は実家に帰って怠惰な毎日を送っていた。
洪治には、週に一度、体だけの関係がずるずると続いている曜子さんという年上の女性がいた。曜子さんは、洪治の母がパートで勤めるスーパーマーケットの社員で、洪治の高校の先輩であり一橋を卒業した才女であった。
しかし、家族を火事で亡くすというつらい過去をひきずっていた。

ある日、曜子さんのアパートで、洪治は曜子さんから「ねぇ、死にましょう」と誘われる。

「砂の城」
矢田泰治は60歳過ぎ。数々の小説で賞を取ってきた文学者であった。
矢田が25歳の時に結婚した妻かほりは後に発狂し、現在は精神病院で暮らしている。かほりとの間の息子英治は父と母の不仲の結果矢田とは近親憎悪の関係、そして愛人星野喜久子との間には障害を持った愛美という娘がいた。

友人で同じ文学者で40年来の友人小宮麟太郎へのコンプレックス、自らの男性的魅力に欠けるというコンプレックスと女性関係を素に作品をつむぎだしてきた泰治の元に、ある事件で逮捕された息子英治の妻麻美が英治の息子(泰治の孫にあたる)孝治を伴って訪れる。

白石一文ならではの作品2編です。決して完全ではない人間たちの生き様や彼らの思考を通して、読者へ人間の本質を問いかけるような作品です。
中編で読みやすいので、白石一文の作品を初めて読んでみるにはいいかもしれません。



恋愛  ★★★★★
スリル ★★★★★
感動  ★★★★
総合  ★★★★★

THEME:本の紹介 | GENRE:小説・文学 |

彼女との上手な別れ方

ガジロウは30才のいい加減な男。ダフ屋などをやって金を稼ぎ片っ端から女の子を口説いていた。
ある日、仕事帰りに乗ろうとしたタクシーが子どもを引きそうになりあわてた運転手がガジロウを乗せずに通り過ぎる。そのタクシーに文句を言おうと飛び出したガジロウは車道で後続の車に撥ね飛ばされる。

後続の車に乗っていたのは、ストリッパーの女3人、ユウコとケイとルカと運転手のジョニーさん。
事故により大破した車の4人は即死。ガジロウは奇跡的に無傷だった。
事故の後、成仏できなかった4人は自分が死んだことを悟る。成仏するためには地上に残した未練を断ち切ることだとわかった4人の幽霊は、なぜか唯一自分たちを見て話せるのがガジロウだと知り、ガジロウに自分たちの貯金を譲ることを餌に、成仏の手伝いをさせる。

いい加減な男と4人の幽霊が繰り広げる奇妙なおはなしです。
ガジロウとユウコの二人の視点から交互にストーリーが進展します。
軽いおはなしで、さらっと読めます。

恋愛  ★★★
スリル ★★★
感動  ★★★
総合  ★★★

THEME:本の紹介 | GENRE:小説・文学 |

神の子どもたちはみな踊る

6編の短編集です。すべての作品の底辺に阪神淡路大震災がテーマとして流れています。

『UFOが釧路に降りる』
秋葉原のオーディオ専門店でセールスの仕事をしている小村の妻は、地震の後、5日間に渡ってまったく何もせずテレビで地震のニュースを見ていた。
そして5日後の日曜日に小村が仕事から帰ってくると短い書置きを残して、家を出てしまった。
 
妻が出て行った後、小村は1週間の休暇を取った。休暇の前日同僚の佐々木に頼まれて釧路の佐々木の妹に小さな箱を届けてくれるよう頼まれる。
釧路の空港で小村を出迎えたのは、佐々木ケイコと友人のシマオさんだった。3人は食事をした後、ラブホテルに行く。

『アイロンのある風景』
茨城県の海に面した小さな町に住む順子は啓介と住んでいた。
ある夜、いつものように三宅さんから電話が掛かってくる。いい流木が集まったからこれから海岸で焚き火をするという誘いだった。
焚き火の名人である三宅さんと順子と啓介はいつものように焚き火を囲む。
関西弁を話す三宅さんは、先月地震のあった神戸の出身だった。

『神の子どもたちはみな踊る』
善也の母親は狂信的な宗教の信者で、神戸で起こった地震のボランティアのため関西に行っていた。
父親のいない善也は、25歳の今まで母親と二人で暮らしていた。
母によると善也の父は『お方』様だということだった。

『タイランド』
さつきは甲状腺の専門的な病理医。世界甲状腺会議が開かれるタイのバンコックで会議に参加した後、1週間の休暇を取った。
友人に紹介された運転手兼ガイドタイ人のニミットの案内で快適な休暇を過ごす。
過去にある秘密をかかえるさつきは。ニミットに連れられてある老女の下に連れて行かれる。

『かえるくん、東京を救う』
東京の信用金庫に勤める片桐が仕事を終えてアパートに帰ってくると、部屋では2メートル以上もある蛙が待っていた。
その「かえるくん」は、とまどう片桐に東京に巨大地震が迫っている、東京を救えるのは、私と片桐さんしかいないと告げる。

『蜂蜜パイ』
小説家である淳平は、大学時代からの友人小夜子の娘、沙羅に創作の物語を聞かせていた。
沙羅の父親は、やはり大学時代からの友人高槻だった。当時小夜子に想いを寄せていた淳平だったが、親密な関係が壊れることを恐れるうち、高槻から小夜子に告白し付き合うことになったと告げられる。
それから1週間部屋を出ることさえ出来なかった淳平の部屋に小夜子が訪れる。
それから数年後、小夜子には沙羅が生まれ、他に好きな女ができた高槻と小夜子は離婚する。
沙羅を含めて奇妙で親密な関係を続ける4人だったが、神戸の地震の頃から、小夜子が夜中に奇妙な行動を取るようになり、次第に淳平と小夜子の関係が変わっていく。

それぞれの物語は直接的には震災には関係ないのですが、震災の影響を受けて著者がつむぎだした小説と言えるでしょう。
例によって(?)奇想天外な大人向けの童話のような短編集ですが、個人的に「蜂蜜パイ」はとても好きですね。淳平と小夜子の微妙な関係が、心に染みてくるようです。

恋愛  ★★★★★
スリル ★★★ 
感動  ★★★★
総合  ★★★★★

THEME:本の紹介 | GENRE:小説・文学 |

MOMENT 本多孝好

有名大学の4年生、神田は病院の掃除のアルバイトをしていた。
その病院には、死期が近づいた患者の願いを叶えてくれる「必殺仕事人」となる掃除人がいるという伝説があった。

神田は、その伝説を継いで患者から依頼された願いを叶えていく。
様々な患者が様々な願いを神田に託す。

死は必ず誰にでも平等に訪れる。しかしその死に直面した際に何を望むかは、様々である。

いくつかの神田への依頼を通して、人の悲哀が感じられる作品です。
軽妙な台詞や展開で、重くなりがちなテーマを軽く書きながら考えさせるテクニックはさすがです。

恋愛  ★★★★
スリル ★★
感動  ★★★★
総合  ★★★★

THEME:本の紹介 | GENRE:小説・文学 |

風が強く吹いている 三浦しをん

竹青荘はおんぼろの下宿屋。木造2階建ての通称「あおたけ」には近くの寛政大学に通う個性的な男子学生たちが住んでいる。

その中で寮長のような存在の4年生の清瀬は、ある日銭湯帰りにコンビニから菓子パンを万引きし、店員に追いかけられている男を自転車で追跡する。男の美しい走りに魅せられた清瀬は、男が寛政大学の新入生とわかると半ば強引に「あおたけ」に住まわせる。

その男「走(かける)」と自分を含めて10人になったあおたけのメンバーを集めた歓迎会の席上、清瀬は全員がすでに寛政の陸上部員であること(あおたけが実は陸上部練成所であること)を告げ、正月の国民的イベント箱根駅伝を目指すと宣言する!

長距離走、箱根駅伝を舞台にした青春ものです。それぞれに悩みを抱えた10人の青年が、1つの目的に向かって1年弱の間、仲間たちとの濃密な時間を経てそれぞれに得ることができたものできなかったものが、感動を誘います。

時に、涙あり、感動ありのさわやかなストーリーです。
中学生や高校生、若い人にもぜひ読んでほしい作品です。

恋愛  ★★★★
スリル ★★★★★
感動  ★★★★★
総合  ★★★★★


THEME:本の紹介 | GENRE:小説・文学 |

看守眼 横山秀夫

6編の短編集です

「看守眼」
山名悦子は26歳。R県警教養課の機関紙「R警人」の編集が仕事であった。
自分の仕事に疑問を感じつつ、前任の編集者が定年退職で長期休暇に入ってしまったため、一人で締め切りに追われていた悦子は、R警人の退職者の書く人気記事「お疲れ様特集」の原稿のチェックを行っていた。
その中の一人近藤宮男の原稿が提出されていないことに気づいた悦子は、近藤の自宅まで原稿の催促に出向く。近藤は刑事の夢破れて留置場の看守として勤め上げた警察官であった。

「自伝」
フリーライターの只野に、ある企業経営者の老人兵藤の自伝を書くという仕事のはなしが持ち上がる。
その独白の中で兵藤は、一人の女を殺したと告白する。
そしてその告白は、意外な方向に只野を導くことになる。

「口癖」
関根ゆき江は家裁の調停委員。主婦でもあるゆき江は心身症を患う夫と娘を養っていた。
ある日ゆき江が担当することになった離婚調停の案件の当事者は、かつて娘をいじめていたと思われる同級生とその付き添いの母親だった。

「午前5時の侵入者」
立原義之は警察官。S県警察ホームページを管理している。ある日の早朝、ホームページが何者かによって改竄されていた。立原は必死で復旧し、犯人の割り出しと、わずかな間に閲覧した閲覧者への口止めに奔走する。

「静かな家」
地方新聞の高梨透は16年の外勤記者の後、現在は整理部で紙面の構成を担当していた。
当日の「降版」を終えた午後8時半、飛び込みの記事が入ってくる。記事の内容は、ある写真作家の個展の案内だった。しかし、その個展は新聞に掲載された前日に最終日を迎えていた。
その夜中にミスを知った高梨は朝から画廊と写真家の家に詫びに出向く。しかしその家はひっそりと静まり返っていた。その日編集部に写真家から抗議の電話が入るが。

「秘書課の男」
知事の秘書倉内忠信は、オヤジと呼び強い信頼を得ていると思っていた知事の、自分への対応が冷たいことに気づいていた。
原因は、最近秘書課に配属された若くて有能な桂木への心変わりではないかと疑心暗鬼になる倉内は、直接的なきっかけが、先日自分宛に届いたある手紙のことではないかと考えていた。
手紙の送り主は、少し前に自分に無心に来た後に自殺した55歳の工場経営者からのものであった。

ミステリー短編6編からなる短編集です。いずれも短編の良さがあふれる濃いストーリーです。
それぞれ前半からちりばめられる様々なキーワードが、見事にひとつの結果に集約されていきます。

恋愛  ★★★
スリル ★★★★
感動  ★★★★
総合  ★★★★


THEME:本の紹介 | GENRE:小説・文学 |

最も遠い銀河(1)(2)(3)(4) 白川道

桐生晴之はすばらしい才能と誰もが見惚れる外見を持つ建築家。
東京で設計事務所を構える晴之は、北海道小樽での幼い頃、炭鉱夫であった父を亡くし母も病気で亡くしていた。幼い頃から極貧の中、兄妹のように育ち、成長してからは深く愛し合うようになった美里という女性もまた、数年前に白血病によってこの世を去っていた。
美里の希望により人知れず小樽の海に美里を葬った晴之は、いつか立派な建築家となり、小樽に立派な建築を立てるということを美里と約束していた。
晴之は約束を果たすため自ら持てるものすべてを使って、世に出ようと突き進む。
そんな時、偶然美里にそっくりな女性茜に出会う。茜は晴之の大学時代の親友が勤めるサンライズ実業の社長の娘であった。

一方引き上げられた身元不明の女性(美里)の事件を追っていた小樽の刑事、渡誠一郎は事件が未解決のまま、定年退職を迎えたことを残念に思っていた。
ある日テレビを見ていた誠一郎は、全裸の遺体が唯一身に着けていたペンダントを製作したと思しきデザイナーの李京愛のことを知る。
誠一郎の息子で警視庁の刑事良一、小樽署の後輩横田らの協力を得て、誠一郎は事件の真相に、桐生晴之に近づいていく。

文庫で4巻からなる長編ですが、非常に読み応えがあります。
様々な味のある人物が、それぞれの生い立ちを背景に複雑に絡み合い、運命に翻弄されていきます。

晴之をはじめ、さまざまな登場人物たちの運命を描いた小説と言えます。
文章も迫力があり、文句なし、絶対おすすめです。

恋愛  ★★★★★
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