| 村上龍の長編小説
2011年、壊滅的な不況が広がる日本。北朝鮮の反乱軍を名乗る9人の兵士が九州に上陸し、プロ野球の試合中だった福岡ドームを占拠する。その2時間後には、500人の部隊が到着し市の中心部を制圧し、福岡ドームに隣接するシーホークホテルを占拠し作戦本部とする。 アメリカや中国、国連の支持を得られない日本政府はなにひとつ積極的な対策が取れないまま、時間が過ぎる。 そして福岡には社会になじむことができずさまざまな凶悪犯罪を犯した過去を持つ若者ばかりがカリスマ「イシハラ」の元に集まった集団がいた。 数日後に北朝鮮から12万人の後続兵士が到着するという状況の中、反乱軍は次第に市民を恐怖と利益で懐柔していく。
単行本で上下刊合わせて1000ページに及ぶ長編小説。しかも北朝鮮の反乱軍、イシハラグループ、政府などそれぞれにとんでもない数の人物が登場します。 しかし、おそらく実際に近い北朝鮮および軍の描写、軍事的な危機に直面したときの日本と国際情勢の動き、戦闘シーンなどがリアルで、なまなましいです。 とにかく密度が濃く読むのにもエネルギーのいる作品ですが、下巻のまんなかくらいから俄然面白くなってきます。 村上龍ならではの他に同じようなものがない作品ですね。
恋愛 ★★ スリル ★★★★★ 感動 ★★★★ 総合 ★★★★★ |
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