プロフィール

kumago

  • Author:kumago
  • 関西在住会社員。読書はもっぱら電車の中。熱中のあまり乗り過ごすこともしばしば。でもそんな小説に出会えたときは最高!
    *各記事のアイコンはAmazonのサイトにリンクしていています。
    Amazonの記事にも作品のあらすじや読んだ方の感想がありますので、ぜひそちらも参考に。
カレンダー
07 | 2017/08 | 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -
ブログ内検索

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

グロテスク(上)(下) 桐野夏生

かなり独特な世界観の奇妙な小説です。

東京都の区役所で事務のアルバイトをして生きている39歳の「わたし」はスイス人の父親と日本人の母親とのハーフでありながら、見かけは平凡で、これまで地味な人生を生きてきた。
「わたし」には、圧倒的な美貌のユリコという妹がおり、ユリコが生まれた時から、常に周囲に比較され蔑まれてきた。

また「わたし」がかつて通った名門のQ女子高に、佐藤和恵という同級生がいた。Q女子高は生え抜きのお金持ちの子女の内部生とそれ以外の外部生に完全に分かれており、和恵も「わたし」も外部生であったが、和恵は親がそこそこのサラリーマンであったがために、必死に内部生の世界に入り込もうと無駄な努力をする生徒であった。

「わたし」がQ女子高に在学中、いちどは事業に失敗したスイス人の父についてスイスに渡ったユリコが母親の自殺を機に日本に戻ってくる。
そしてユリコを心の底から毛嫌いする「わたし」と同じQ女子高の中等部に編入してくる。

「わたし」の人生に常に陰を落とし続けるユリコと「わたし」と関わりを持った数少ない人間のひとりである和恵が30代にして立て続けに殺される。2人を殺したとして逮捕されたのは中国人の張万力(チャンワンリー)という男であった。そして2人のもうひとつの共通点は、街に立つ娼婦であったという事実であった。

「わたし」の延々と続く独白と「わたし」が手に入れることになるユリコの手記と和恵の日記、そして逮捕された張の上申書。
これらを通して、「わたし」、ユリコ、和恵とその周辺の人々の人生が浮かび上がります。
それぞれの人生において持ち得たモノと持ち得なかったモノに苦しみ内面を破綻させていく生々しさに次第に自分が毒されていくようです。

なんと表現していいかわかりませんが、人間の内面の狂気を描いた作品と言えるのではないかと思います。

恋愛  ★★★★
スリル ★★★★
感動  ★★
総合  ★★★★★


関連記事
スポンサーサイト
THEME:本の紹介 | GENRE:小説・文学 |

COMMENT

EDIT COMMENT

非公開コメント

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。