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kumago

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  • 関西在住会社員。読書はもっぱら電車の中。熱中のあまり乗り過ごすこともしばしば。でもそんな小説に出会えたときは最高!
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すぐそばの彼方 白石一文

松岡龍彦は、政府与党の次期総理の最有力候補松岡龍三の次男、33歳。元は雑誌の政治記者だったが4年前にある出来事がきっかけで自殺未遂を起こし、現在は龍三の事務所で秘書のような仕事をしていた。妻の郁子とは龍三のための政略結婚で、郁子の父は経済界の大物だった。郁子との間には英彦という現在小学生の息子がいるが、事件後、龍彦はいちども自宅には帰らず自分でアパートを借りて生活していた。
龍三の厳しい管理の下、自由に金を使うこともできず、かつ精神的に回復していない龍彦は、時折過去の追想の中にのめりこみ目の前のことがわからなくなったり、友人に借りた金のことを忘れてしまうということが日常的にあり、限定された人生を送っていた。

しかし、恋人の由香子とや友人の岩田に支えられてなんとか生きていた。

4年前、龍彦には薫という心から愛した女性がいた。4年前に起こした事件も薫を愛すればこそという側面もあったが、結果的には事件が元で薫とは別れさせられることになってしまった。

薫への追憶を心に秘めながら、次第に精神を回復し出す龍彦は本来の優秀さを取り戻し、父龍三の政権掌握の力強いブレーンとなっていく。

しかし龍三や龍三の側近に人生を翻弄されながら、自らも政治家になることを決め、過去の清算をすることにした龍彦はそれまで知ることのなかった「事件」の本当のすがたに気づく。

大物政治家の息子の人生を描き、すべてのしがらみを取り去った時、人の人生にとって本当に大事なものは何かということを問っている作品と言えるのではないかと思います。政治の裏側をリアリティ溢れる文章で描く作者の筆力は圧巻です。
とても読み応えのある作品です。

恋愛  ★★★★★
スリル ★★★★★
感動  ★★★★★
総合  ★★★★★


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THEME:本の紹介 | GENRE:小説・文学 |

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