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  • 関西在住会社員。読書はもっぱら電車の中。熱中のあまり乗り過ごすこともしばしば。でもそんな小説に出会えたときは最高!
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アントキノイノチ さだまさし

永島杏平は、父親と二人暮しの21歳。母親は杏平が中学2年の時に家を出てしまっていた。杏平は高校時代に心を病み、中退後自分が通う病院の手伝いなどをして少しずつ改善し、父の学生時代の後輩が経営する遺品整理の会社CO-OPERSに勤めだした。

杏平の心の病の原因は、かつては親友と信じていた”松井”であった。
見栄えが良く頭の回転も速い松井は高校の人気者だった。
が、病的な嘘つきで悪意に満ちた嘘でその場にいない誰かを陥れることに長けていた。

杏平は、同じ山岳部ということもあり、深く松井と関わってしまったが故に、さまざまな出来事を通して松井に対して殺意を抱くようになり精神を破綻させてしまう。

杏平は、亡くなった人の住まいの最後の整理という仕事を通じて、人は平等に生まれて死ぬことに思い当たり、人や命について考える。
また真剣に心を込めてきつい仕事に取り組む佐相さんを初めとした会社の人々や、会社近くの飲み屋のアルバイトゆきちゃんとの触れ合いからたくさんのことを学び少しずつ心の暗闇から回復していく。

この物語は実在する遺品整理会社がNHKの番組で取り上げられたことがきっかけで著者のさだまさしさんが小説作品にされ、2011年に映画化されることも決まっているそうです。

病的な嘘つきが周りの人の心を破綻させるというのは、村上春樹のノルウェイの森でも、そういったシーンがありましたね。人の心は私たちが感じている以上にもろいものなのかもしれません。

このアントキノイノチでは、人の人生のエンディングは様々であることに気づかされます。人と人のつながりが希薄になってしまった現代では
死後の住居の整理を遺品整理の会社に委託されることも実際あることなのでしょう。

例えば老いて一人暮らしで入浴中に不意に病死してしまい、数日経ってようやく発見されるという死に方はむごい死に方かもしれません。
しかし、どれだけ時間とお金をかけて死ぬ準備をしたところで”うまく”死ぬことなんて誰にもできないのではないでしょうか。
であれば、人は死に様など気にせずに常に納得できる生き様を追い求めて日々生きていくべきではないでしょうか。
とそんなことを考えさせてくれる作品でした。

恋愛  ★★★★★
スリル ★★★★
感動  ★★★★★
総合  ★★★★★


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THEME:本の紹介 | GENRE:小説・文学 |
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