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kumago

  • Author:kumago
  • 関西在住会社員。読書はもっぱら電車の中。熱中のあまり乗り過ごすこともしばしば。でもそんな小説に出会えたときは最高!
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不自由な心 白石一文

5編の短編集です。短編といってもそれぞれそこそこの長さがあります。

『天気雨』
野島は42歳のサラリーマン。妻と娘がいるが、社内の秘書課に27歳の美しい恵理と不倫の関係にあった。
あるパーティーで、恵理が以前の彼氏と結婚するらしいという噂を聞き、野島は動転し恵理に問い質す。以前の彼氏とは、取引先の部長でやはり当時不倫関係であった。
元ラガーマンで剛直な野島は、恵理からはっきしたことが聞き出せないと、直接相手を呼び出して真相を聞き出すが。

『卵の夢』
事務機器メーカーに勤める坂本は43歳。父の武吉は都内の病院で死を待つ状態だった。仕事に追われるある日、妻の由利子が短い書き置きを残して去ってしまった。由利子が去った先は、結婚前の男、遠藤の元だった。
都会で社会を支えるひとりの男を通して人生の諦観と悲哀が描かれる。

『夢の空』
福岡での短い出張を終えた大木邦男は、ほとんど徹夜明けの朝、東京へ戻る飛行機に乗るために福岡空港にいた。
今朝まで、かつての同僚で不倫相手だった金親と飲んでいた。
深く愛し合っていたにも関わらず、一人息子の発病など様々なことが原因で、一緒になることが出来なかった女性。金親との出会いからを回想しつつ飛行機の中でまどろむ邦男だったが、突然大きな振動が飛行機を襲う。

『水の年輪』
飲料水メーカーに勤める三枝は、友人の医者から余命1年の胃癌を宣告される。以前に同じ病気で兄を亡くしている三枝は、仕事を辞め妻に癌の告知を受けたことを告げ、残りの人生を思うように過ごすために別離を告げて家を出る。
三枝には妻のほか、高校生の娘がいるが、その下の一人息子を3歳の時に海の事故で亡くすという過去があった。
家を出た三枝は、自分の人生や生、死を見つめながらひとりの女性に会いに行くことを決意する。
その女性、長瀬仁美は5年前偶然知り合い深く愛し合うようになったが、妻が心神耗弱になったことで、自ら三枝の元を去っていった女性だった。

『不自由な心』
江川一郎は、妹から亭主との離婚を告げられる。妹の亭主は自分が紹介した同じ会社の後輩、森山啓介だった。離婚の原因は、啓介に他に女が出来たことと聞かされた江川は、同じ社内の一力真希であると考え、真希を呼び出し啓介との仲を問い質す。
一方、江川は車椅子生活を送る妻の満代と娘美奈子がいるにも関わらず、部下の津村みゆきと関係を持ってしまう。

いづれも、40歳前後の企業に勤める仕事盛りの「もてる」男と彼らの人生に登場する美しい女性たちを主人公とした物語集です。
しかし、ただ単に、男女の艶かしいストーリーを展開するだけではなく、
白石作品ならではの、愛とは、人生とは、生とは、死とはと読者に問いかける内容です。
自分らしく生きて死ぬとは一体どういうことなのか、考えさせられる素晴らしい作品です。

恋愛  ★★★★★
スリル ★★★
感動  ★★★★★
総合  ★★★★★

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THEME:本の紹介 | GENRE:小説・文学 |
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